
料理名
いかの煮物(いかと大根の煮物)/ 富山の家庭煮物
現地名:いかと大根の煮もの(富山では「いかの煮もん」と呼ばれることが多い)/ 日本語名:するめいかと大根の煮物
この料理について
富山湾で水揚げされるするめいかを使った、富山・高岡の家庭の定番惣菜。特別な行事食ではなく、週に一度程度食卓に上がる平日のおかずとして位置づけられる。昆布だしを使うことが多く、いかのワタ(内臓)を煮汁に溶かし込む流儀は富山県西部の家庭に広く見られる。
材料(3〜4人分)
| 食材 | 分量 | 日本での入手 | 備考 |
|---|---|---|---|
| するめいか(冷凍可) | 2杯(約400g) | スーパー全国 | 胴・足・ワタに分ける |
| 大根 | 1/3本(約300g) | スーパー全国 | 半月切り、厚さ1.5cm |
| 昆布 | 10cm×1枚 | スーパー全国 | だし用 |
| 水 | 300ml | — | — |
| 酒 | 大さじ3 | スーパー全国 | 清酒。料理酒でも可 |
| みりん | 大さじ2 | スーパー全国 | — |
| 砂糖 | 大さじ1 | スーパー全国 | — |
| しょうゆ | 大さじ3 | スーパー全国 | 濃口 |
| いかのワタ | 2杯分 | するめいかから取り出す | 核となる要素。省かない |
アレルゲン:いか(軟体動物)、小麦(しょうゆ)、大豆(しょうゆ)
ソース照合メモ
| 食材・工程 | 現地語ソース | 英語ソース | 日本語ソース | 判定 |
|---|---|---|---|---|
| するめいか | 富山レシピ複数で確認 | squid with daikon で同様の構成確認 | クックパッド・NHK等で多数 | ◎必須 |
| 大根 | 富山家庭料理の記述で頻出 | daikon ペアとして標準的 | 同上 | ◎必須 |
| いかのワタを煮汁に混ぜる | 富山・能登の家庭レシピで明示 | 一部英語ブログで紹介(orange sauce として) | NHKきょうの料理等で確認 | ◎必須(核) |
| 昆布だし | 富山の昆布消費量の文脈で一致 | kelp broth として出現 | 富山レシピで共通 | ◎必須 |
| 酒・みりん・しょうゆ | 全ソース共通 | — | 全ソース共通 | ◎必須 |
| 砂糖 | 一部ソースのみ(少量) | — | 多数で使用 | オプション(甘めが好みなら) |
| 生姜 | 一部ソースで使用 | — | 一部 | オプション |
この料理を成立させる核
- いかのワタ(内臓)を煮汁に溶かし込む。これを省くと「いかと大根のしょうゆ煮」になり、別の料理になる。ワタが赤みを帯びた濃いコクを汁に与える
- 大根は下茹でせず直接煮る。水分が少し残った状態で仕上げる
- 昆布だしを使う。富山の家庭では昆布が日常的に使われており、かつお系のだしに置き換えると味の輪郭が変わる
- いかを煮すぎない。胴は輪切りにして後から加え、全体の煮時間は15〜20分以内に収める。超えるとゴムになる
作り方
- 昆布だしをとる。水300mlに昆布を30分浸けてから中火にかけ、沸騰直前に昆布を取り出す。
- いかを処理する。胴から足とワタを引き抜く。ワタ(墨袋の隣にある橙色の内臓)は破らず取り出し、小鍋に酒大さじ1と合わせてほぐしておく。胴は幅2cmの輪切り、足は食べやすい長さに切る。
- 大根を切る。皮を厚めに剥いて半月切り(厚さ1.5cm)にする。
- 鍋に昆布だしと調味料を入れる。だし300ml、酒大さじ2、みりん大さじ2、砂糖大さじ1、しょうゆ大さじ3を合わせて中火にかける。
- 大根を入れて先に煮る。沸騰したら弱火にし、蓋をして10分煮る。
- ワタを加える。酒でほぐしたワタを鍋に加え、菜箸で汁全体に溶き混ぜる。汁が橙色に濁る。
- いかを加える。胴の輪切りと足を入れ、中火に戻す。蓋をして5〜8分。いかに火が通ったら火を止める。
- そのまま少し冷ます。粗熱がとれる間に味がしみる。食べる直前に温め直すと汁の味が安定する。
食べ方
ご飯のおかずとして、汁ごと茶碗の隣に椀で出す。翌日は冷めた状態でも食べる。大根に汁がしみこんでいる。
補足
失敗しやすいポイント
- ワタを破いてしまうと墨が混入し、汁が黒くなる。ゆっくり引き抜くこと
- いかを先に入れると煮すぎになる。大根が十分柔らかくなるまで大根だけで煮ること
代用提案
- するめいか → 冷凍ヤリイカで代用可。ワタがない場合は、いかの塩辛を大さじ1加えることで近い風味になる(塩辛の場合はしょうゆを少し減らす)。ただしワタそのものとは深みが異なる
- 昆布だし → 市販の昆布だしの素(粉末)小さじ1+水300mlで代用可。風味は弱くなるが構造は崩れない
時短バージョン 大根を電子レンジ(600W・4分)で先に加熱しておくと、鍋での煮時間を半分以下に短縮できる。
翌日の楽しみ方 冷蔵庫で一晩おいた翌日、汁を少量足して温め直す。大根が汁を全部吸っているので、温めながら崩して食べると別の食感になる。
同じ場所でも、毎回違う家族・違う偶然・違う料理になります。