
料理名
Eisbein mit Erbspüree / アイスバイン、豆のピューレ添え
この料理について
アイスバインはニーダーザクセンを含む北ドイツ各地で日常的に食卓に上がる塩漬け豚のすね肉料理で、祝い事ではなく普通の平日に煮込まれる。乾燥エンドウ豆を使ったピューレ(Erbspüree)との組み合わせが北ドイツでは定番で、南ドイツのザワークラウト添えとは一線を画す。
材料(4人分)
| 食材 | 分量 | 日本での入手 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 塩漬け豚すね肉(Eisbein/Schweinshaxe) | 2本(計1〜1.2kg) | 業務スーパー・ハラール系肉屋 | 塩漬け済みのものを使う。なければ生の豚すね肉を使い、塩水(水1L・塩80g)に一晩漬ける |
| 玉ねぎ | 2個 | スーパー | 1個は丸ごと、1個は刻む |
| ローリエ | 3枚 | スーパー・KALDI | ─ |
| 黒コショウ(粒) | 小さじ1 | スーパー | ─ |
| オールスパイス(粒) | 5粒 | KALDI・富澤商店 | なければ省いても可だが香りが変わる |
| クローブ | 3本 | KALDI・富澤商店 | 玉ねぎに刺して使う |
| 乾燥黄色エンドウ豆(Gelbe Erbsen) | 300g | 富澤商店・Amazon | 乾燥ひよこ豆やグリーンピース缶では風味がかなり変わる。なるべく黄色エンドウ豆を探す |
| バター | 大さじ3 | スーパー | ─ |
| 玉ねぎ(ピューレ用) | 1個 | スーパー | みじん切り |
| ラード | 大さじ1 | 業務スーパー・ネット通販 | サラダ油で代用可だが風味は落ちる |
| 塩・白コショウ | 適量 | スーパー | ─ |
| マスタード(粒なし、辛口ドイツ式) | 大さじ2(卓上用) | KALDI・スーパー | 食べる際に添える |
アレルゲン:豚肉(豚由来成分)、乳製品(バター)。ラードを使用する場合は豚由来。
ソース照合メモ
| 食材・工程 | 現地語ソース(独語) | 英語ソース | 日本語ソース | 判定 |
|---|---|---|---|---|
| 塩漬け豚すね肉 | ○(Hausmannskost定番として言及) | ○(germanfoods.org でEisbein言及) | △(「アイスバイン」として一般に認知) | 必須 |
| 乾燥黄色エンドウ豆のピューレ | ○(北ドイツの組み合わせとして定番) | ○(Erbspüree / pea puree) | △(日本語ソースでは言及少ない) | 必須(北ドイツ固有) |
| ローリエ・粒コショウ・クローブでの煮込み | ○(複数独語レシピで一致) | ○ | △ | 必須 |
| ラードで玉ねぎを炒めてピューレに加える | ○(独語ソースで頻出) | ○ | なし | 必須(地域固有) |
| マスタードを卓上に添える | ○(定番の組み合わせ) | ○ | ○ | 必須 |
| ザワークラウト添え | ○(南ドイツ・ベルリン式として言及) | ○ | ○ | オプション(南ドイツ式、北ドイツでは豆ピューレが優先) |
この料理を成立させる核
- 豚すね肉は**必ず塩漬け(Pökelfleisch)**であること。生肉をただ煮ただけでは別の料理になる
- 煮汁にローリエ・粒コショウ・クローブ・玉ねぎを入れて長時間(2〜2.5時間)ゆっくり煮ること。圧力鍋で短縮すると風味の層が変わる
- 付け合わせは乾燥黄色エンドウ豆のピューレであること。これが北ドイツの家庭式。グリーンピース缶や別の豆に変えると別の料理になる
- ピューレを仕上げる際にラードで炒めた玉ねぎを混ぜること。これが風味の核
- 卓上に辛口マスタードを置くこと。調味ではなく食べ方として不可欠
作り方
- 前日まで: 塩漬けでない豚すね肉を使う場合は、水1Lに塩80gを溶かした塩水に肉を沈め、冷蔵庫で一晩(8〜12時間)漬ける。塩漬け済みのものはそのまま使う。
- 塩抜き: 塩漬け肉は使う前に冷水で30分さらす。塩辛すぎる場合はもう30分延長する。
- 煮込み開始: 大鍋に肉がかぶるくらいの水を入れる。玉ねぎ1個にクローブを3本刺して丸ごと加える。ローリエ、粒コショウ、オールスパイスを加えて強火にかける。
- アク取り: 沸騰したらアクを丁寧にすくう。弱火に落として蓋をし、2〜2.5時間煮る。肉が骨からするりと離れる状態が目安。
- 豆の下ごしらえ(前日〜): 乾燥黄色エンドウ豆は水に8時間以上浸す。水を切って新しい水で30〜40分やわらかくなるまでゆでる。
- ピューレを作る: 小鍋にラードを入れて中火にかけ、みじん切りにした玉ねぎを飴色になるまで炒める(10〜12分)。ゆでた豆をフォークかポテトマッシャーで粗くつぶし、炒めた玉ねぎをラードごと加えて混ぜる。バター大さじ2を加えてさらに混ぜる。塩・白コショウで味を調える。
- 盛り付け: 深皿にピューレを敷き、煮上がった肉を置く。煮汁を少量回しかける。マスタードを小皿に添えて卓上に置く。
食べ方
肉をほぐしながらピューレと一緒にすくって食べる。マスタードを肉につけながら食べるのが北ドイツの家庭式。黒パン(Schwarzbrot)があれば皿の汁を拭う。ビールがあれば出てくる。
補足
- 失敗しやすいポイント: 塩漬け肉の塩抜きが不十分だと料理全体がしょっぱくなりすぎる。煮込み中に味見して、もし塩辛ければ水を足す。
- 代用提案の風味差: 乾燥黄色エンドウ豆の代わりにグリーンピース缶を使うと甘みが増し、北ドイツらしいほくほくした土臭さが失われる。ひよこ豆ではピューレの質感が変わり、全体のバランスが崩れる。できるだけ黄色エンドウ豆を探すこと。
- 時短バージョン: 圧力鍋で加圧45〜50分でも肉は柔らかくなる。ただし煮汁の複雑さが出にくいため、ローリエとクローブを倍量にして補う。
- 翌日の楽しみ方: 残った煮汁はスープとして活用できる。刻んだキャベツや残りのピューレを加えてアイントップフ(一鍋煮)として食べるのが家庭の定番。
同じ場所でも、毎回違う家族・違う偶然・違う料理になります。