
Cottage Pie / コテージパイ
Cottage Pie / コテージパイ
この料理について
イングランドの家庭で長く作られてきた牛ひき肉のミートソースを、マッシュポテトで覆ってオーブンで焼く一皿料理。週の半ばや寒い日に作られることが多く、残り野菜や買い置きの食材で組み立てられる。シェパーズパイ(羊肉版)と混同されがちだが、牛ひき肉を使うものが Cottage Pie と呼ばれる。
材料(4人分)
| 食材 | 分量 | 日本での入手 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 牛ひき肉 | 500g | スーパー全般 | 脂質15〜20%程度が崩れにくい |
| 玉ねぎ | 1個(大) | スーパー全般 | 粗みじん切り |
| にんじん | 2本 | スーパー全般 | 1cm角のダイス切り |
| セロリ | 2本 | スーパー全般 | 粗みじん切り |
| にんにく | 2片 | スーパー全般 | みじん切り |
| トマトペースト | 大さじ2 | スーパー全般 | ダブルコンセントレート缶が理想。なければトマト缶を煮詰めて代用可 |
| ウスターシャーソース | 大さじ1 | スーパー全般、KALDI | LEA & PERRINS 製が英国では標準。日本のウスターソースは甘みが異なる(風味差あり) |
| ビーフストック | 250ml | 業務スーパー、KALDI | キューブタイプを湯で溶かして使用可 |
| 薄力粉 | 大さじ1 | スーパー全般 | とろみ付け用 |
| タイム(乾燥) | 小さじ1 | スーパー全般 | フレッシュなら2〜3枝 |
| ローリエ | 1枚 | スーパー全般 | 煮込み中のみ、仕上げ前に除く |
| じゃがいも(粉質系) | 900g | スーパー全般 | メークインより男爵・キタアカリが向く |
| バター | 大さじ3(45g) | スーパー全般 | マッシュ用 |
| 牛乳 | 大さじ3〜4 | スーパー全般 | 温めてから加えると均一になる |
| チェダーチーズ(すりおろし) | 60g | スーパー全般、成城石井 | 表面の焦げ色をつけるために使用。省くと別物になる |
| 塩・黒こしょう | 適量 | スーパー全般 | — |
| サラダ油(または植物油) | 大さじ1 | スーパー全般 | 炒め用 |
アレルゲン:乳成分(バター・牛乳・チェダーチーズ)、小麦(薄力粉)、セロリ(EU圏では主要アレルゲン指定)、ウスターシャーソースに魚成分(アンチョビ)
ソース照合メモ
| 食材・工程 | 英語ソース(YouTube/クックパッド等) | 日本語ソース | 判定 |
|---|---|---|---|
| 牛ひき肉 | 必須(Cottage Pie の定義) | 必須 | 必須 |
| 玉ねぎ・にんじん・セロリ(ミルポワ) | 全ソース共通 | 全ソース共通 | 必須 |
| ウスターシャーソース | 全英語ソース共通 | 複数日本語ソースに記載 | 必須(代用注意) |
| トマトペースト | 英語ソース多数 | 日本語ソースの一部はトマト缶で代用 | 必須(量は調整可) |
| ビーフストック | 全ソース共通 | 全ソース共通 | 必須 |
| じゃがいもマッシュ(上蓋) | 全ソース共通 | 全ソース共通 | 必須(省くと別料理) |
| チェダーチーズ(表面) | 英語ソース多数に登場 | 日本語ソースでも言及 | 準必須(焦げ目の核) |
| タイム | 英語ソース多数 | 一部のみ | 必須に準ずる |
| 薄力粉(とろみ) | 多くの英語ソース | 複数の日本語ソース | 必須 |
| ローリエ | 英語ソース多数 | 複数日本語ソース | 必須に準ずる |
この料理を成立させる核
- 牛ひき肉を使うこと。羊ひき肉に替えると Shepherd's Pie という別の料理になる
- マッシュポテトで全面を覆うこと。トッピングではなく「蓋」として機能させる
- ウスターシャーソースを煮込みに加えること。酸味・旨味・深みの基盤になる
- チェダーチーズを表面に散らしてオーブンで焦がすこと。表面のクラストがこの料理の食感の核
- ミートソースにとろみをつけてから重ねること。水分が多いままだとマッシュ層が崩れる
- 肉と野菜の層とマッシュ層を明確に分離すること。混ぜてしまうと別物になる
作り方
- じゃがいもを皮ごと水から茹でる。串が通ったら湯を切り、皮を剥く。温かいうちに潰し、温めた牛乳とバターを加えてなめらかに混ぜる。塩・黒こしょうで調味して置いておく。
- フライパンか厚手の鍋に油を中火で熱し、玉ねぎ・セロリを5〜7分炒める。透き通ってきたらにんにくとにんじんを加え、さらに3分炒める。
- 牛ひき肉を加えて強火にし、木べらで細かくほぐしながら全体が褐色になるまで炒める。余分な脂が多ければ紙タオルで吸い取る。
- 薄力粉を振り入れ、全体に絡めて1〜2分炒める。粉っぽさが消えたら、トマトペースト・ウスターシャーソース・ビーフストックを加える。
- タイムとローリエを加えて中火で20〜25分煮込む。とろみがついて表面が緩やかに泡立つ状態が目安。ローリエを除き、塩・黒こしょうで調味する。
- オーブンを200℃に予熱する。
- 深めの耐熱皿にミートソースを均一に広げる。上からマッシュポテトをスプーンで乗せ、全体を覆うように端まで伸ばす。フォークの背で表面に筋目をつけると焼き色がつきやすい。
- チェダーチーズを表面に均一に散らす。
- オーブンの上段で25〜30分焼く。表面が濃い焦げ茶色になったら取り出す。
- 5分ほど置いてから切り分ける。
食べ方
深皿に四角く切り分けて盛る。茹でたグリーンピース、さやいんげん、またはブロッコリーを添えるのが一般的。特別なソースはかけない。食卓でウスターソースを足す人もいる。
補足
- 失敗しやすいポイント:マッシュポテトが水っぽいと層が崩れる。じゃがいもはしっかり水気を飛ばしてから牛乳を加えること。ミートソースのとろみが足りないまま重ねると底が水っぽくなる
- 代用提案:ウスターシャーソースは日本のウスターソース+醤油少々で近づけられるが、甘みが出るので量は半量から調整する。チェダーチーズはグリュイエールまたはパルメザンで代用可能だが、風味は異なる
- 時短バージョン:煮込みを15分に短縮する場合、コーンスターチ(小さじ2を水大さじ2で溶いたもの)を加えるととろみが早くつく。マッシュポテトはインスタントポテトで代用可(風味差大)
- 翌日の楽しみ方:冷蔵後は層がしっかり固まり、切り分けやすくなる。160℃のオーブンで20分再加熱するか、電子レンジで加熱した後にグリルで表面を2〜3分焼くと焦げ目が復活する
同じ場所でも、毎回違う家族・違う偶然・違う料理になります。