
料理名
Żurek / ジュレク(ライ麦サワースープ)
この料理について
ジュレクはライ麦粉を乳酸発酵させた「サワー種の汁(żur)」を出汁にしたスープで、マゾフシェ地方を含むポーランド中部・中央部で日常的に食べられる家庭料理。茹でたジャガイモと白ソーセージ(biała kiełbasa)を入れ、サワークリームで仕上げるのが平日の定番の形。復活祭の食卓でも出るが、週のふつうの昼食・夕食にも登場する。
材料(4人分)
| 食材 | 分量 | 日本での入手 | 備考 |
|---|---|---|---|
| ライ麦サワー種汁(żur / zakwas)— 瓶詰め | 500ml | ポーランド食材店・Amazon("zakwas na żurek"で検索) | 代用:ライ麦粉70g+ぬるま湯500ml+にんにく1片を3〜4日発酵させる(下記補足参照) |
| ポーランド白ソーセージ(biała kiełbasa) | 300g | ポーランド食材店、ハラール系精肉店には代替ソーセージあり | 代用:粗挽き豚肉ソーセージ(市販の荒びきポークウインナー)。食感は近いが燻製風味がない |
| じゃがいも | 3〜4個(約500g) | スーパー | 男爵またはキタアカリ。粉質系が向く |
| 玉ねぎ | 1個 | スーパー | |
| にんにく | 2片 | スーパー | |
| ラード | 大さじ2 | 富澤商店・業務スーパー | 代用:サラダ油。風味がやや軽くなる |
| サワークリーム | 大さじ4〜5 | KALDI・成城石井・Amazon | 代用:生クリームに少量のレモン汁。酸味が弱くなる |
| ゆで卵 | 4個 | スーパー | 仕上げに添える |
| マジョラム(乾燥) | 小さじ1 | スーパーのスパイス棚 | これが風味の核(下記「核」参照) |
| 西洋ホースラディッシュ(chrzan) | 小さじ1〜2 | ポーランド食材店・Amazon(瓶詰め) | 代用:わさびで代用可能だが、風味の方向がかなり変わる |
| 月桂樹の葉 | 2枚 | スーパー | |
| 黒粒胡椒 | 5粒 | スーパー | |
| 塩 | 適量 |
アレルゲン:小麦(zakwasにライ麦=グルテン含有)、豚肉(ソーセージ・ラード)、乳製品(サワークリーム)、卵
ソース照合メモ
| 食材・工程 | 現地語ソース(PL) | 英語ソース | 日本語ソース | 判定 |
|---|---|---|---|---|
| zakwas(サワー種汁)使用 | kuchnia-domowa.pl等に記載 | 複数英語レシピで"sour rye soup base"として言及 | poland.travel・witam-pl.com参照 | 必須 |
| 白ソーセージ(biała kiełbasa) | PL家庭料理サイト複数で共通 | 英語サイトでも"white sausage"として記載 | culture.pl参照 | 必須 |
| じゃがいも | PL全ソース共通 | 全英語ソース共通 | 記載あり | 必須 |
| マジョラム | PL現地語ソースで強調 | 英語ソースも言及 | 一部記載 | 必須・核 |
| サワークリーム仕上げ | PL複数ソース共通 | 英語ソース共通 | 記載あり | 必須 |
| ゆで卵添え | PL家庭料理ブログ複数 | 英語ソースの多くで言及 | 言及あり | 必須(地域標準) |
| ラード炒め | PL現地語ソースに多い | 英語では「油」と書くものも | 記載なし | 地域固有・推奨 |
| ホースラディッシュ | PL一部ソースに出現 | 英語一部 | なし | オプション(マゾフシェ周辺で好まれる) |
この料理を成立させる核
- zakwas(ライ麦サワー種汁)の酸味が全体の骨格。缶・粉末スープの素で代替するとジュレクではなく別のスープになる
- マジョラムは省略不可。この乾燥ハーブが「ジュレクの匂い」を作っている。他のハーブで代替すると別物になる
- サワークリームは調理の最後に加えること。沸騰した状態で加えると分離する
- **biała kiełbasa(白ソーセージ)**はスモークしていないポーク主体のソーセージ。燻製ソーセージを使うと風味が全く変わる
- じゃがいもはスープの中で崩れかけるくらいまで柔らかくする。形を保つように茹でない
作り方
- じゃがいもを皮をむいて4等分し、塩少量を入れた湯で柔らかくなるまで茹でる(約15分)。茹で汁は500ml取っておく
- 白ソーセージを鍋に入れ、月桂樹の葉・黒粒胡椒と一緒に水500mlで茹でる(約10分)。ソーセージを取り出し、茹で汁はスープに使う
- フライパンにラードを溶かし、みじん切りの玉ねぎを中火で炒める。薄い茶色になったらおろしにんにくを加え、さらに30秒炒める
- 大きめの鍋にじゃがいもの茹で汁とソーセージの茹で汁を合わせ(合計約1L)、中火にかける
- zakwas 500mlを加える。沸騰直前で弱火にする
- 3の炒め玉ねぎ・にんにくを加える。マジョラムを加える
- 茹でたじゃがいもとソーセージ(一口大に切る)を鍋に入れ、弱火で5分
- 火を止めてから、サワークリームを一杯ずつ加えながら混ぜる。再び火をつける場合は絶対に沸騰させない
- 塩で味を整える。ホースラディッシュを加える場合はここで
- 深皿に盛り、半分に切ったゆで卵を添える
食べ方
ライ麦パンと一緒に食べる。パンをちぎってスープに浸す食べ方が家庭では一般的。昼食の主皿として出ることが多い。スープとパンだけで一食になる。
補足
zakwas自家製の場合(瓶詰め入手困難な場合)
- ライ麦粉70g、ぬるま湯(40℃前後)500ml、にんにく2片(押しつぶす)、黒パン1切れをガラス容器に入れ、常温で3〜4日置く。1日1回かき混ぜる。酸っぱい匂いが出てきたら完成。室温が低いと時間がかかる
失敗しやすいポイント
- サワークリームを熱いまま加えると白い粒状に分離する。必ず火を止めてから少量ずつ加える
- zakwasを大量に入れすぎると酸味が強くなりすぎる。最初は300mlで試してから好みで調整
代用品の風味差
- ラード→サラダ油:コクが減る。バター10gを加えると多少近づく
- 白ソーセージ→荒びきウインナー:塩気が強く、ハーブの風味が異なる。マジョラムを少し増やすと近づく
- サワークリーム→生クリーム+レモン汁:酸味の角がなくなる。コクはある
翌日 一晩置くと酸味がまろやかになり、じゃがいもがさらに崩れてスープが濃くなる。温め直しは沸騰させず弱火で
同じ場所でも、毎回違う家族・違う偶然・違う料理になります。