
料理名
Samlor Kako / サムラー・カコー
この料理について
カンボジアの家庭で週に何度も作られるスープ煮込み料理。魚や豚肉を、ロースト米ペーストとプラホック(発酵魚ペースト)で風味づけしたスープで煮る。特定の季節や祝事に限らず、普通の昼食・夕食に登場する。
材料(4人分)
| 食材 | 分量 | 日本での入手 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 淡水魚(骨付き)または豚肉 | 400g | スーパー(鯛のアラ、豚バラ) | 鯛のアラは骨付きでコクが出る |
| プラホック(発酵魚ペースト) | 大さじ1〜2 | KALDIまたはアジア系食材店 | なければナンプラー大さじ2で代用。風味差は大きい |
| ロースト米(カオクア) | 大さじ2 | 自作可(米を乾煎りして粗挽き) | スープのとろみと香ばしさに不可欠 |
| ガランガル(カー) | 薄切り4〜5枚 | 業務スーパー、冷凍または乾燥 | 生姜で代用可、ただし風味は異なる |
| レモングラス | 2本 | スーパー(冷凍)、KALDI | 根元を叩いて使う |
| コブミカン(カフィアライム)の葉 | 5〜6枚 | KALDI、冷凍品 | 乾燥でも可 |
| ターメリック | 小さじ1/2 | スーパー(粉末) | 色と土台の風味 |
| パームシュガー | 大さじ1 | 富澤商店、KALDI | きび砂糖で代用可 |
| ナンプラー | 大さじ1〜2 | スーパー | 塩味の調整に |
| ロングビーン(ササゲ豆) | 100g | 業務スーパー、アジア系食材店 | いんげん豆で代用可 |
| 青パパイヤまたは冬瓜 | 150g | アジア系食材店、冬瓜はスーパー | ズッキーニでも代用可 |
| バナナの花または茎 | 適量 | アジア系食材店(缶詰あり) | なくてもよい、代用不要 |
| ノコギリパクチー(チャドン・ベーン) | 1束 | アジア系食材店 | 青ねぎ+青じそで代用、風味差あり |
| タイバジル | 1束 | スーパー、KALDI | 普通のスイートバジルでも可 |
| ライム | 1個 | スーパー | 仕上げに絞る |
| 水 | 700ml | — | — |
アレルゲン:魚(プラホック・ナンプラー)、使用する肉による
ソース照合メモ
| 食材 | 現地語ソース(クメール・英語圏) | 日本語ソース | 英語ソース | 判定 |
|---|---|---|---|---|
| プラホック(発酵魚ペースト) | 頻出・カンボジア料理教室Instagram | 「より強い発酵風味」TikTok | 複数レシピで言及 | 必須 |
| ロースト米(カオクア) | 料理教室・複数動画で強調 | journey-cooking.com(ボボー文脈) | 複数ソース一致 | 必須 |
| ガランガル | 料理教室Instagram(note.com) | note.com クメール料理教室 | 英語レシピ共通 | 必須 |
| レモングラス | note.comクメール料理教室 | note.com、journey-cooking.com | 共通 | 必須 |
| コブミカンの葉 | note.com(ライムの葉) | note.com | 共通 | 必須 |
| ターメリック | 複数ソース | 一部言及 | 共通 | 必須 |
| パームシュガー | cambodianogohan Instagram | instagram(材料一覧) | 共通 | 必須 |
| ノコギリパクチー | cambodianogohan Instagram | 「日本なら青ネギ・青じそ代用」明記 | 共通 | 必須(代用可) |
| バナナの茎・花 | 観察ログ文脈・地域固有 | 言及なし | 一部のみ | 地域固有・オプション |
この料理を成立させる核
- プラホック(発酵魚ペースト)を入れること。これを省くと、同じ具材でも別のスープになる。ナンプラーで代用した場合は「サムラー・カコー風」にとどまる
- ロースト米ペースト(カオクア)でスープにとろみをつけること。デンプンや小麦粉ではなく、乾煎りした米を粗挽きにしたものを使う。これがスープの質感と香ばしさを決定する
- ガランガル・レモングラス・コブミカンの葉の三つを必ず入れること。この組み合わせがクメール料理の風味の基底になる
- 仕上げにライムを絞ること。酸味は後から加えるのが前提で、煮込み中には入れない
作り方
- カオクアを作る:生米を大さじ2、フライパンで乾煎りし、薄く色がつき香ばしい匂いが出るまで中火で8〜10分炒る。粗めにすりつぶすかミルで砕く(粉にしきらず、粒感が残る程度)
- 具材を下ごしらえする:ガランガルは薄切り、レモングラスは根元を包丁の腹で叩き3〜4cm長に切る。コブミカンの葉は中央の筋を折って除く。青パパイヤ(または冬瓜)は3cm角に切る。ロングビーン(いんげん)は4cm長に切る
- スープを仕込む:鍋に水700mlを入れ、ガランガル・レモングラス・コブミカンの葉・ターメリックを入れて中火にかける。沸いてきたらプラホック大さじ1〜2を入れてよく溶かす
- 肉・魚を加える:沸騰したら魚(または豚肉)を加え、アクを除く。中火で8〜10分煮る
- 野菜を加える:青パパイヤ(または冬瓜)→ロングビーン(いんげん)の順に加え、それぞれ2〜3分差をつけて入れる
- カオクアを加える:砕いたロースト米を加えてかき混ぜる。スープが少しとろりとしてくる
- 調味する:パームシュガー大さじ1、ナンプラーで塩気を整える。ひと煮立ちさせる
- 仕上げる:火を止め、タイバジルとノコギリパクチー(または青ねぎ・青じそ)を加える。食卓でライムを絞る
食べ方
茶碗に山盛りのご飯と一緒に食べる。スープは直接すくってかけてもよいし、おかずとご飯を交互に取る食べ方でもよい。食卓にライムを切ったものと生の葉野菜を別皿で出すことが多い。
補足
- 失敗しやすいポイント:プラホックを入れすぎると塩分が急上昇する。少量から溶かして味見しながら増やすこと。また野菜を入れるタイミングがずれると、柔らかくなりすぎる(特に青パパイヤは崩れやすい)
- プラホック代用時の風味差:ナンプラーで代用すると発酵感・土台の深みが薄れ、よりさっぱりした味になる。これ自体は「別のスープ」として成立するが、カンボジア固有の風味軸からは離れる
- 時短バージョン:カオクア(ロースト米)は、市販のロースト米粉(タイ系食材店で入手可)を使うと工程が省ける。なければ市販のきな粉少量と片栗粉を合わせて代用できるが、香ばしさは落ちる
- 翌日:一晩おくとプラホックの塩分がなじみ、よりまとまった味になる。スープを水で少し伸ばして温め直し、米麺(カノムチン)を入れると朝食の麺料理として食べられる
同じ場所でも、毎回違う家族・違う偶然・違う料理になります。