
ボルシチ
Борщ / ボルシチ
この料理について
ビーツを主体とした赤紫色のスープで、ロシア・ウクライナを中心とする旧ソ連圏の家庭で広く作られる。モスクワ近郊の家庭では日常の夕食スープとして登場し、作り置きして翌日以降に食べることが多い。ウクライナ起源の料理だが、現在はロシア家庭でも固有のレシピが定着しており、家によって具材・煮込み時間・酸味の強さが異なる。
材料(4人分)
| 食材 | 分量 | 日本での入手 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 牛スネ肉または牛バラ肉 | 400g | スーパー全般 | 骨付きがあればより出汁が出る |
| ビーツ(生) | 中2個(約300g) | 成城石井、KALDI、輸入食材店、Amazon | 缶詰でも可(後述) |
| キャベツ | 1/4個(約250g) | スーパー全般 | |
| じゃがいも | 中2個(約250g) | スーパー全般 | |
| 玉ねぎ | 1個 | スーパー全般 | |
| にんじん | 1本 | スーパー全般 | |
| にんにく | 2〜3片 | スーパー全般 | |
| トマトペースト | 大さじ2 | スーパー全般 | ホールトマト缶でも可 |
| 酢(白またはワインビネガー) | 大さじ1〜2 | スーパー全般 | ビーツの色を保つ |
| 植物油(サラダ油可) | 大さじ2 | スーパー全般 | |
| 塩 | 適量 | スーパー全般 | |
| 黒こしょう | 少々 | スーパー全般 | |
| ローリエ | 2枚 | スーパー全般 | |
| 水 | 1.5〜2L | — | |
| サワークリーム | 適量 | 成城石井、KALDI、富澤商店 | これは省かない(後述) |
| ディル(生または乾燥) | 適量 | 成城石井、KALDI、Amazon | なければパセリで代用、風味は変わる |
アレルゲン:乳製品(サワークリーム)。牛肉を使用。
ソース照合メモ
| 食材・工程 | 現地語ソース(ru) | 英語ソース | 日本語ソース | 判定 |
|---|---|---|---|---|
| ビーツ | 言及あり(борщ全般) | 共通 | デリッシュキッチン、eriFW | 必須 |
| 牛肉(骨付き含む) | 共通 | 共通 | eriFW(脂が浮く) | 必須 |
| キャベツ | 共通 | 共通 | デリッシュキッチン | 必須 |
| じゃがいも | 共通 | 共通 | デリッシュキッチン | 必須 |
| サワークリーム(仕上げ) | 共通 | 共通 | eriFW(省き忘れに言及) | 必須・省かない |
| トマトペースト | 共通 | 共通 | デリッシュキッチン | 必須 |
| 酢(色止め) | 現地語ソースで強調 | 共通 | eriFW | 必須 |
| ディル | 現地語ソースに頻出 | 共通 | 一部 | 推奨(地域固有) |
| ビーツを炒めてから加える | 現地語強調 | 共通 | eriFW動画言及 | 必須工程 |
| 3日目が美味しい | — | — | eriFW(明確に言及) | 補足情報 |
この料理を成立させる核
- ビーツを生から使い、炒めて(または蒸し炒め)スープに加えること。最初から鍋に生のまま入れると色が抜ける
- 酢を炒めたビーツに加えること。これをしないと煮込む間に赤紫色が褪せて茶色くなる
- 牛肉でしっかりとした出汁スープを作ること。この出汁がボルシチの骨格になる。コンソメキューブだけでは別物になる
- サワークリームを食べる直前に乗せること。混ぜ込まず、各自がスープに溶かしながら食べる。これを省くと本来の味にならない
- ビーツ、キャベツ、じゃがいもの三つが揃っていること。どれかを省くと構成が崩れる
作り方
- 出汁を取る:牛肉を水(1.5〜2L)から入れ、強火で沸騰させる。灰汁をすくい取り、ローリエを加えて弱火で60〜90分煮る。肉を取り出し、食べやすい大きさにほぐしておく。スープは漉す
- 野菜を切る:ビーツは皮をむいて千切り(マッチ棒状)。玉ねぎとにんじんは薄切り。キャベツは細切り。じゃがいもは2cm角。にんにくはみじん切り
- ビーツを炒める(色止めが要):フライパンに植物油を熱し、ビーツを中火で3〜4分炒める。ここで酢(大さじ1〜2)を加えてさらに1〜2分炒める。トマトペーストを加えて全体をなじませ、火を止める
- 玉ねぎ・にんじんを炒める:別のフライパン(またはステップ3の後に同じフライパン)で玉ねぎとにんじんを中火で7〜8分、しんなりするまで炒める
- スープに具材を加える:1の牛肉出汁を中火で沸かし、じゃがいもを加えて10分煮る。次にキャベツを加えて5分。炒めたビーツ、炒めた玉ねぎ・にんじん、ほぐした牛肉を加える
- にんにくを加えて仕上げる:みじん切りにんにくを加え、塩・黒こしょうで味を調える。弱火で10〜15分、全体の味がなじむまで煮る。火を止め、蓋をして10分蒸らす
- 盛り付け:深皿によそい、サワークリームを一さじ乗せる。あれば刻んだディルを散らす
食べ方
黒いライ麦パン(チョールヌイ・フレープ)または白い丸パンと一緒に食べる。サワークリームをスプーンでスープに少しずつ溶かしながら食べるのが一般的。作った翌日以降、冷蔵庫で保存したものを温め直したものが家庭では好まれる。
補足
- 失敗しやすいポイント:ビーツに酢を加えずに煮込むと色が褪せる。最初からビーツを生で入れると同様。炒めてから酸を加える工程を省かない
- ビーツの代用:缶詰ビーツ(水煮)を使う場合は炒め工程を短縮できるが、色がやや薄くなる。酢は同量入れること。生のものと比べて甘みが弱く、スープの深みがやや減る
- サワークリームの代用:クレームフレーシュまたは無糖の水切りヨーグルト。生クリームだと酸味が消えて風味が変わる
- 時短バージョン:圧力鍋で牛肉を加圧20〜25分→自然放圧。出汁取り時間を大幅短縮できる。ビーツの炒め工程は省略しない
- 翌日の楽しみ方:冷蔵保存して翌日・翌々日に温め直す。スープが煮詰まり、ビーツの甘みと酸味が落ち着いて味が変わる。eriFWの記録では「3日目が最高」と明記されている
同じ場所でも、毎回違う家族・違う偶然・違う料理になります。