
料理名
Tagliatelle al ragù / タリアテッレ・アル・ラグー
この料理について
ラグーソース(ボロネーゼとも呼ばれる)を絡めた卵入り平打ち麺は、ローマ周辺を含むイタリア中部・北部の家庭で週末の昼食として普通に食卓に上がる料理である。バチカン市国はローマ市街に囲まれており、居住者の食文化はローマおよびエミリア=ロマーニャの家庭料理と地続きになっている。祭事や特別な場面の料理ではなく、日常的な「日曜の昼」または「平日の特別でない夕食」として位置づけられる。
材料(4人分)
| 食材 | 分量 | 日本での入手 | 備考 |
|---|---|---|---|
| タリアテッレ(乾麺) | 320g | スーパー・KALDI・Amazon | 卵入りのものが望ましい。なければフェットチーネで代用可。スパゲッティは代用不可 |
| 牛ひき肉 | 250g | スーパー | 赤身多め推奨 |
| 豚ひき肉(または豚バラ薄切りをみじん切り) | 150g | スーパー | 牛100%でも可だが風味の厚みが落ちる |
| パンチェッタ(またはベーコン) | 50g | KALDI・業務スーパー | 無塩タイプが理想。ベーコンは代用可だが燻煙香が加わる |
| 玉ねぎ | 1個(中) | スーパー | |
| にんじん | 1本(小) | スーパー | |
| セロリ | 1本 | スーパー | 省くと香りの骨格が崩れる。必須 |
| にんにく | 1片 | スーパー | |
| トマトペースト | 大さじ2 | スーパー・KALDI | なければトマト缶(ホール)を潰したもの大さじ4で代用。コクが薄くなる |
| ホールトマト缶 | 1缶(400g) | スーパー | |
| 赤ワイン | 100ml | スーパー | 白ワインでも可。なければ省いてブロードを増量 |
| ブロード(ビーフブロスまたは水) | 100〜150ml | スーパー(コンソメ可) | コンソメ使用の場合は塩を控える |
| 全乳(または生クリーム) | 大さじ3 | スーパー | 肉のアクを和らげる。省くと酸味が前面に出る |
| オリーブオイル | 大さじ2 | スーパー | |
| 塩・黒こしょう | 適量 | スーパー | |
| パルミジャーノ・レッジャーノ(またはパルメザン粉チーズ) | 適量(仕上げ用) | スーパー・KALDI | 粉チーズ缶で代用可。風味は落ちる |
アレルゲン:小麦(麺)、卵(卵入り麺使用時)、乳製品(牛乳・チーズ)、セロリ(アレルゲン表示対象外だが反応する場合あり)
ソース照合メモ
| 食材・工程 | 現地語(伊)ソース | 英語ソース | 日本語ソース | 判定 |
|---|---|---|---|---|
| タリアテッレ使用 | ◎(複数イタリア料理サイト) | ◎ | ○ | 必須 |
| 牛豚混合ひき肉 | ◎ | ◎ | ○ | 必須 |
| ソフリット(玉ねぎ・にんじん・セロリ) | ◎ | ◎ | ○ | 必須。省略不可 |
| トマトペースト+ホールトマト | ◎ | ◎ | ○ | 必須 |
| 赤ワインで煮詰める | ◎ | ◎ | △ | 必須 |
| 牛乳または生クリームの添加 | ◎(エミリア系) | ○ | △ | 必須(地域固有の核) |
| パンチェッタ | ◎ | ○ | △ | 準必須(ないと旨みが薄くなる) |
| 長時間煮込み(2時間以上) | ◎ | ◎ | ○ | 必須 |
| パルミジャーノ仕上げ | ◎ | ◎ | ○ | 必須 |
この料理を成立させる核
- ソフリット(玉ねぎ・にんじん・セロリの三種を細かく刻んで炒める)を最初に十分に作ること。これが香りの基盤であり、省くと別の料理になる
- タリアテッレを使うこと。スパゲッティやペンネに変えると、ソースの絡み方と食感が根本的に変わる
- 牛乳または生クリームをソースに加えること。これがラグーのトマト酸味を丸め、肉と乳化させる。省くとナポリ系のトマトソースになり、ラグーとしての性格が失われる
- 最低1時間半〜2時間の弱火煮込み。短時間では肉が締まったまま、ソースが分離した状態になる
- 仕上げにパルミジャーノを削りかけること。省くと塩味と旨みのバランスが崩れる
作り方
- 玉ねぎ、にんじん、セロリをそれぞれ5mm以下の細かいみじん切りにする。にんにくも細かくみじん切りにする
- 厚手の鍋(または深めのフライパン)にオリーブオイルを入れ、中火でパンチェッタを炒める。脂が出てきたら玉ねぎ、にんじん、セロリ、にんにくを加え、弱火で10〜15分、野菜がしんなりして甘みが出るまで炒める(焦がさない)
- 牛ひき肉と豚ひき肉を加え、中火〜強火で炒める。肉の色が変わり、余分な水分が飛んだら赤ワインを加え、アルコールが飛ぶまで2〜3分炒める
- トマトペーストを加えて全体に絡め、1分炒める。ホールトマト缶を潰しながら加え、ブロード(またはコンソメを溶かした水)を加えて混ぜる
- 牛乳を加えてひと混ぜし、弱火にして蓋をずらした状態で1時間半〜2時間煮込む。途中で水分が飛びすぎたらブロードまたは水を少量足す。ソースが肉と一体になり、表面に赤い油が浮いてきたら完成の目安
- 塩・黒こしょうで味を調える
- 大きな鍋で湯を沸かし、塩を湯全体の1%量(目安:2リットルの湯に塩20g)加えてタリアテッレを袋の表示より30秒短めに茹でる
- 麺を茹で上がる30秒前に、ラグーソースのフライパン(または鍋)を中火にかける。麺を湯切りして直接ソースの鍋に入れ、茹で汁を大さじ2〜3加えながらソースを麺に絡める。30秒〜1分ほど全体を混ぜ合わせる
- 皿に盛り、パルミジャーノを削りかけて供する
食べ方
温かいうちにすぐ食べる。食卓にはパルミジャーノとパンを並べる。皿に残ったソースをパンでぬぐって食べるのが家庭での一般的な作法である。ワインはテーブルに出ることが多いが、なくても料理は完結する。
補足
- 失敗しやすいポイント:ソフリットを急いで強火で炒めると野菜が焦げ、苦みが出る。必ず弱〜中火でゆっくり。また煮込み中に強火にすると底が焦げる。弱火を守ること
- 代用の風味差:フェットチーネはタリアテッレの代用として機能するが、やや厚みがある場合は食感が重くなる。スパゲッティは断面が丸いためソースが絡まず、別の料理の食感になる
- 時短バージョン:圧力鍋を使う場合、加圧後は30〜40分の加熱でほぼ同等の結果が得られる。ただし仕上げに蓋を開けて水分を飛ばす工程が必要
- 翌日の楽しみ:ラグーソース単体は翌日以降に味が落ち着く。冷蔵で3日、冷凍で1ヶ月保存可能。むしろ作りおきのソースが家庭では一般的
同じ場所でも、毎回違う家族・違う偶然・違う料理になります。